稚内・礼文島・利尻島旅行記

阿部 武司(昭51経)
関西東大会の「旅行グルメ同好会」の皆さんと、日本最北の地を6月3日から7日まで訪れた。
私は昨年還暦を迎え、そろそろ人生を楽しまないと損だと思い始めたこともあって、「関西東大会通信」でたまたま目にしたこの企画に、妻と2人で参加したい旨をそこに記されていた慶田雅洋さん(昭30農)にファックスで申し込んだ。慶田さんからは、まもなくご丁重なファックスやお手紙を次々といただいた。すぐに慶田さんが宿泊や移動も含めて今回の企画をすべて立てて下さったことを理解した。
現地に行ってみて初めてわかることも多かったが、慶田さんのおかげで出発前からかなりの予備知識を持つことができた。年が明けてからの関西東大会の新年会では慶田さんからお声をかけていただき、ご挨拶できた。その後、この同好会が平成11年から14年間も慶田さんを中心に毎年春と秋の2回3~4泊の旅を続けてきたことを知った。特に北海道訪問は今回で5回目とのことであった。
今回の参加者は私共夫婦も含めて合計15名であった。初めてお目にかかった方々はいずれも私よりも10~20歳ご年長で、ご体調が必ずしも万全とはいえない方もおられたが、皆さんがご無理をされずに、今回の旅行を楽しく過ごしておられたことが印象的であった。新しく参加したメンバーは私共のほか3人おられ、会全体が大変和やかな雰囲気で、全員がすぐに打ち解けてお話するようになった。
初日には全日空機を使って13時過ぎに稚内空港に到着した。その後はチャーターしたバスで、宗谷岬(昼食も含む)とノシャップ岬を訪れ、途中、開基100年記念塔・北方記念館や北防波堤ドームを見学した。
記念塔は月曜のため休館と予想されていたが、観光シーズン中ということで幸いにも入場できた。帰途、稚内副港市場に寄り、ショッピングを楽しむとともに旧稚内桟橋駅、そして活気を呈していた頃の近隣商店街を再現した2つの展示を見た。
宿泊は同日、翌日そして最終日と、稚内駅近くの全日空ホテルであった。泊まった日の夕食もそこで皆さんとご一緒したが、なかなかよろしかった。また、シーズンとはいえ、朝5時に朝食をとれるのには驚いた。
 

2日目には、朝7時10分稚内発のJR宗谷本線に乗って豊富駅に下車し、以後はチャーターしたバスで移動しながら、北海道北部の酪農の発祥地である宮の台展望台、パンケ沼、サロベツ湿原センター周辺、と幌延町を中心に広がる広大なサロベツ湿原の展望を1日ゆったりと楽しんだ。初日には寒さが予想以上に厳しかったが、この日からはまずまずといった涼しさになった。
午前中には面白い施設をいくつか訪問した。まず、処理済核燃料廃棄物を地中に長期保存するための調査を主な目的とした幌延深地層研究センター「地創館」を見学し、核廃棄物の保存の安全性などについて熱心な質問が出された。皆さんの突っ込みはなかなか深く、解説して下さった事務系職員の方が、時々たじたじとされていた。
その隣にある幌別町トナカイ観光牧場では、元気なトナカイを初めて身近に見た。続いて訪ねた金田心象書道美術館(心象館)では、地元出身の書道の大家の作品を鑑賞した。昼食をとった食堂の隣のサロベツ湿原センターでは、湿原に関する詳しい展示があった。帰路は行きと同じコースで夕方に稚内に戻った。
3日目には、ホテルをいったんチェックアウトして朝6時50分稚内港発のフェリーボートに約2時間乗船して礼文島の香深港に着いた。そのあと観光バスで礼文島を3時間で一周した。澄海(スカイ)岬、礼文アツモリ草をはじめとする高山植物園、スコトン岬、猫岩、桃岩などの名所は、確かに絶景続きであった。昼食で名物のウニ丼に舌鼓を打ったのち、香深港発宇遠内間1時間強のクルージングを楽しんだ。
クルージングは昨年始まったそうで、本来は午後に1便10人だけが行けるはずだったが、昼食時に電話があって船長のご厚意でもう1便出してもらえ、2度に分かれて全員乗船できた。午前中のツアーは、率直に言って各場所をじっくり眺めるには時間不足であった。しかし、それもこのクルージングで帳消しとなって、おつりまでもらったような気分になれた。
この日の天気は初め曇りがちであったが、午後には次第に晴れてゆき、対岸の利尻山が次第にくっきりと見えていった。バスからみた猫岩、桃岩、地蔵岩の海からの眺めは、陸からみた風景とはまた違って素晴らしかった。アザラシの生息地も間近に観察できた。
宿泊はフェリーの発着場のすぐそばの礼文ホテルで、ここの食事も大変美味であった。

   
ノシャップ岬方面を見る

香深港と利尻富士
4日目には朝9時10分に香深港発のフェリーボートに40分ほど乗って利尻島の沓形港に着き、その後タクシーで鴛泊港に移動し、昼食後に定期観光バスで4時間半をかけて島を一周した。
周囲800メートルで晴れた日には利尻の「さかさ富士」が見事だという姫沼(残念ながらこの時には曇っていたが)、旧鬼脇村役場の懐かしい木造建物を活用した利尻島郷土資料館、周囲約1500メートルの風光明媚なオタドマリ沼、ゴマアザラシの子供2匹が泳ぐ、海岸に近い仙法師御崎公園を順に訪れた。
そのあと車内から2つの奇岩、寝熊の岩と人面岩を見たのち、沓形登山口から利尻山をしばらくバスで登り、五合目近くで下車して各人が徒歩で階段を登り、見返台園地展望台に達した。この日の天候は、午前中は曇りがちだったが、次第に晴れ間が多くなり、利尻富士の麗姿をしばしば目にすることができた。
とくに最後の展望台では100段の階段を我慢して登ったあと、頂上まで雲のない利尻山を見ることができ、皆さんが感激されていた。利尻山の全貌を眺められることはめったに無いことだそうで、それだけでもはるばる来た甲斐があったと思った。
ツアー終了後まもなく鴛泊港午後5時10分発のフェリーボートに乗り、7時15分頃、稚内に戻り、全日空ホテルに再び1泊した。

 利尻山見返台公園にて
最終日には10時45分にホテルのロビーに集合し、ホテル前に停まる路線バスによって稚内空港に移動して解散し、その後各自帰途についた。
今回、初めて参加した「旅行グルメ同好会」の旅は、予想を上回る素晴らしいものであった。長年のご経験に基づき、すぐれた企画を立てて下さった慶田さんに改めて厚く御礼申し上げたい。また、以前からのメンバーの石﨑さん(昭38法)が、現地で細かな点に至るまでお気遣い下さり、全行程を安心して過ごすことができたことに心より感謝申し上げる。


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