明日の日本を支える関西東大会
平成22年9月三鷹寮同窓会懇親会にて関西東大会の要請を受けて
東京大学総長 濱田純一

卒業生の皆さまの多大なご協力により、関西東大会が着実な発展を続けておられることに対して、敬意を表するとともに、心からお慶びを申し上げます。
東京大学は、国立大学法人化後6年を経て、いま新しい段階に入っています。私は、総長就任の際に、「森を動かす」というメッセージを出しました。それは、法人化以降さまざまなチャレンジを行ってきた東京大学の教育研究体制の基盤を再度鍛えなおして、これからさらに大胆な飛躍を図る、という決意を述べたものです。130年の伝統をもつ東京大学が、時代の大きな変化を積極的に取り込みながら、これからも世界の先頭に立って教育研究をすすめていく基盤を確実なものにしたいと考えています。
この基本メッセージを軸にして、私の任期が終わる2015年を目標にした東京大学の経営計画をまとめたのが、『行動シナリオ FOREST2015』です。そこでは、国際化の積極的な推進や「タフな東大生」の育成などを含む9つの大きな柱の一つに、「卒業生との緊密なネットワークの形成」というテーマを掲げています。
東京大学卒業生の同窓会活動は、まだまだ大きな発展の可能性を秘めています。東京大学として卒業生の皆さまに何を提供できるのか、さらに考え実施していきたいと思います。それと同時に、卒業生の皆さまに、東京大学の活動を物心両面でさらにお手伝いいただきたいと願っています。皆さまが東京大学の活動に関わっていただける場面を増やしていきたいと思います。そうした中で、東京大学という「魂」を、ともに確認し、共有し、またそのために一緒に行動していくことができればと願っています。
私たちを取り巻くいまの日本の状況は、決して良いものではありません。閉塞感や停滞感、未来への不確実性、ということも言われます。しかし、こうした時代であればこそ、東京大学は希望の星として頑張りたいと思います。教育や学問こそ、未来を切り拓き確実なものにしていく力を持っています。日本の産業を活性化し、人々の生活を豊かにしていく新しい研究開発をすすめるとともに、タフな学生を育てていくつもりです。また、日本の学術の伝統に支えられた知的文化への誇りを、大切にしていきたいと考えています。
いま、関西東大会の皆さまには、とくに、三鷹国際学生宿舎の新棟建設のために、ご支援をお願いしています。この新棟建設が目標とする射程は、建物だけではありません。この新棟が、寮生活の多様な刺激の中でタフな東大生が育まれ、そうした学生が未来の日本の活力となり、また世界の人々の幸せを支えていく第一歩となることに、私は大きな夢と期待を持っています。
関西出身の私にとって、関西東大会のさらなる発展にかける思いは、格別のものがあります。引き続き皆さまのご協力をお願い申し上げますとともに、皆さまのますますのご健勝とご活躍を祈念いたしております。

