関西東大会4月例会(芭蕉・俳諧文学講座)の報告

                              s34文 岡部 高明

芭蕉の「不易流行論」

(講義は東日本大震災から一ヶ月たたない4月9日におこなわれた。)

 今回の被害状況はリアルタイムで世界につたわり、人々は日本人の無私の精神に驚嘆した。日本は礼節をまもる国と世界が報道した。これは昨日今日このような国になったのではない。

「魏志倭人伝」に大和民族の記述がある。「和人の島は夏も冬も生野菜を食す。長生きで百歳の人もいる。女性は嫉妬しない。盗人もいない。礼節を大事にする」。

 日本人の行動をみて諸外国の日本を見る目がかわった。礼節は大和民族固有のものだ。植村花菜の「トイレの神様」のなかで、祖母が「トイレはきれいにするんだよ」と言っているように誰に教えられなくても礼節は守られていく。日本中のおじいさん、おばあさんが今日の日本人をつくった。

 主義主張によってではなく、心の琴線にふれているものが民族の文化であり、その一つに「無常」がある。鴨長明は飢饉、大火、地震に遭遇し無常観から「方丈記」を書いた。一瞬前までは誰も思わなかったことが起こる。永遠なものはない。すべては変わる。だから無常という。

「不易流行」とは、「不易」は永続性、「流行」は新風で対立するものではない。流行は不易であり不易は流行である。ともに風雅の心から出て根は一つである。

 先生はテキストに基づいて「芭蕉の『不易流行論』」を以下の項目で講義して下さった。厖大な勉強の二時間でした。

(一) 不易流行の辞書的説明

(二) 去来の不易流行論

(三) 土芳の不易流行論

(四) どうして不易と流行が相即するといえるのか

(五) 芭蕉の無常観と「まこと」

(六) 俳諧の「新しみ」と流行。



 


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