関西東大会 平成24年 新年祝賀会 報告
代表幹事 日笠 賢(昭55経)
関西東大会恒例の新年祝賀会が、本年度も下記の通りに開催されましたので、報告します。
記
日 時:2012年1月29日(日) 18:00~21:30
会 場:ウェスティンホテル大阪 2階「オリアーナ」
出席者:51名
【第1部 特別講演会】 18:00~18:45
〔会長挨拶〕
美濃和 秀幸さんの司会で開会となり、まず、北 修爾 会長が新年の祝賀のご挨拶に立たれました。この中で特に、昨年の総会で会長に就任されて以降、懸案として引継ぎのあった「三鷹国際学舎新棟建設問題」について、資料(本文最後尾に添付の「訪問記録」)を出席者全員に配布のうえで触れられて、
① 小池俊二 前会長からの引継ぎで、「東日本大震災を受け、東京大学の予算、施設計画に変更が起きている。三鷹国際学生宿舎への寄附にこれまで積極的に取り組んできたが、東大当局に照会し、現状を把握した上でしっかりと舵取りをして下さい。」と言われた。
② これを受けて、昨年12月24日に日笠代表幹事とともに東大の施設整備の最高責任者である前田正史 副学長にお目にかかり、教養学部創立60周年記念事業として取り上げられた三鷹国際学生宿舎の新棟建設について伺った。
③ 東大側から、寮の整備は国家予算の配分対象ではなく、東大当局の自主財源で行うべき施設で、先の大震災を受けて、かねてよりの構想もより長期的な取り組みとならざるを得ない状況になったという説明があった。
④ 関西東大会として母校のグローバル人材育成の見地に賛同して、関西東大会として寄附の運動をしてきたが、このように喫緊の課題ではなくなったので、あらたに東大当局から連絡を受けるまで、静観することにした。
⑤ 当面は、関西東大会の運営の重点を会員増強を中心とした組織強化へ移していきたい。
⑥ 特に本年秋の総会は、関西東大会創立25周年と重なり、大変人気ある 村山 斉 教授(数理連携宇宙研究機構長)に講演をお願いしているので、多くの会員を集めたい。
と、お話されました。
〔講演会〕
続いて、奈良県立万葉文化館館長で池坊短期大学学長、また関西東大会の副会長でもある中西 進 先生から、「新春アラカルト」と題して特別講演をしていただきました。
中西先生は1953(昭和28)年東京大学文学部ご卒業で、文学博士、文化功労者です。万葉集など古代文学の比較研究を主に、日本文化の全体像、精神史の研究・評論で著名な先生ですが、今回は、時代を追いながら「日本人がどのように正月を迎えて来たのか」について、ユーモアをたっぷり交えつつ、大変楽しいお話をしていただきました。
その中から一部を抜粋すると、
(1) 759(天平宝字3)年、『万葉集』選者の大伴家持による『万葉集』最後の歌、
~新しき 年の始の 初春の 今日降る雪の いや重け吉事~
(あらたしき としのはじめの はつはるの きょうふるゆきの いやしけよごと)
は、因幡国(鳥取県)に国司(国守)として赴任していた家持が、年頭に郡司らを集めて催した宴の席で詠んだ歌で、「新しい年のはじめの、新春の今日を降りしきる雪のように、いっそう重なれ、吉き事よ。」ということであるが、これは、当時の暦である太陰太陽暦の1月1日が、太陽の運行を元にした二十四節気のひとつである立春と丁度重なり(19年に1度起きる)、しかもそこに家持の大好きな雪(元日の雪は豊年の瑞祥と考えられており、美しい純白性と平等性を示すものとされた)が降って、大変目出たい、今年も良い吉事が沢山有りますようにという意味がある。(背景には、家持が当時置かれた状況もあった。)
ここに奈良人の、月と日の巡りに祝福されての、あふれるような命の賛歌を感じる。
これとは対照的に、正月の前に立春が来たというズレを歌ったのが、古今集の一番目の歌、
~年の内に 春は来にけり ひととせを こぞとや言はむ 今年とや言はむ~
(としのうちに はるはきにけり ひととせを こぞとやいはむ ことしとやいはむ)
であり、意味としては、「年内に春は来てしまったよ。まだ新年が来ていないというのに。この一年を昨年と言おうか、それとも今年と言おうか。」ということになる。
(2) その古今集選者のひとりの紀貫之が、土佐日記で935(承平5)年正月元旦のことを京の元日と比べて、「いもじ、あらめも、はがためもなし。かうやうのものなきくになり。もとめしもおかず。」(=ずいきも、食べる海草も、正月恒例の食物もない。こういう京で正月に普通に食べるような物が無い土地である。探したが、どこにも置いていない。)とか、「ただ、おしあゆのくちをのみぞすふ。このすふひとびとのくちを、おしあゆもし、おもふやうあらんや。『けふは、みやこのみぞ、おもひやらるる。』『こへのかどの、しりくべなはの、なよしのかしら、ひひら木ら、いかにぞ』とぞいひあへなる。(=ただ押鮎の口をかじるだけだ。このキスをするような人々の口を、押鮎がひょっとすると何か考えるところがあるのであろうか。『今日は都のことばかり想像させられる』『小家の門のしめ縄にぶら下がっているボラの頭や柊などはどんなだろう』と話し合っているようだ。)など、様々に書き綴っているが、ここに既におせち料理の原型があったことや、今は節分に行なう風習があったことが想像出来る。
(3) 1688(貞享5)年に書かれた井原西鶴の「日本永代蔵」は、節約の始まりがお正月であり、柳の太く丸い箸は削って1年使うとか、鯛の飾りを見て食べたつもりになるとか、七草の「雑炊」は「増水」にかけて倹約をするとか、成功をする町人の年頭の教訓として、「万事節約」のことが様々に書かれている。
(4) 1897(明治30)年に書かれた尾崎紅葉の「金色夜叉」では、正月の「かるた会」が、明治時代の公認された若い男女の交際の場であった様子が描かれている。
などのお話がありました。
【第2部】 18:45~21:30
〔懇親会〕
第1部に引き続き美濃和 秀幸さんの司会で第2部の懇親会が開会となり、北 修爾 会長がご挨拶されたあと、関西東大会の重鎮で一般法人 本願寺文化興隆財団理事長の大谷暢順 御法主台下に乾杯の音頭を取っていただき、賑やかな食事歓談が始まりました。
例年に比べて、平成になって卒業した若い会員が増え、また初参加者を含めた全体人数も多く、各テーブルで名刺交換の輪が広がりました。
歓談の途中で来賓のご挨拶があり、まず和歌山赤門会代表の安藤 元二 様が、続いて大阪京大クラブから前会長代行の山内 潤三 様と理事総務委員の並木 宏徳 様、中村 誠 様が壇上に上がられて、お祝いの言葉を述べられました。次いで祝電の披露となり、東京大学同窓会連合会の森 亘 会長様、大阪京大クラブの鈴木正裕 会長様、関西東大会 前会長の小池俊二様ほかから届けられた祝電が司会者により読み上げられました。小池 前会長からは、「新会長のもと、関西東大会の新年を祝う会が盛大に開催されましたこと心より喜んでおります。
昨年の総会において、濱田総長が自ら提起されました東大の秋入学問題について、今や国民的レベルにおいて議論がはじめられましたことは、我が国大学教育の国際化への対応としてとても大切なことと思います。我々同窓の一員として、この議論に活発に参加することを期待するものであります。」とのメッセージがあり、皆に紹介されました。
しばしの歓談の後、今回初めて関西東大会の公式行事に参加した次の方々から、一人ずつ自己紹介とご挨拶をしていただきました。(順不同)
・ 山中 俊之 様(㈱グローバルダイナミクス代表取締役社長、関西学院大学教授、大阪市特別顧問)
・ 藤井 薫 様(㈱にちほシンクタンク)
・ 川条 志嘉 様(前 衆議院議員)
・ 中元 美和 様(就活支援事業A-Career起業)
・ 児玉 実史 様(北浜法律事務所 弁護士)
・ 浦山 周 様(北浜法律事務所 弁護士)
・ 谷 明典 様(北浜法律事務所 弁護士)
・ 徳弘 憲一 様(パナソニック㈱主任技師)
・ 加藤 宏一郎 様(瀬戸内海放送㈱代表取締役社長)
・ 梶浦 秀樹 様(㈱庵=いおり=代表取締役)
・ 松尾 隆之 様(NTN㈱ 執行役員)
・ 阿部 武司 様(大阪大学 大学院経済学研究科 教授)
さらに盛況となる中、山内様と並木様、中村様のリードで「琵琶湖就航の歌」を、続いて菊池敏博前代表幹事の先導により東京大学応援歌「ただ一つ」を全員で斉唱しました。
最後に、小松健男名誉顧問にご挨拶いただき、秋の創立25周年記念総会(10月7日(日))での再会を期して、平成24年関西東大会新年祝賀会はお開きとなりました。
以上

