大阪京大クラブ 2012年3月例会 参加報告

幹事 日笠 賢(昭55経)
掲題会に参加して来ましたので、下記に報告します。

日 時:2012年3月9日(金) 17:30~19:30
場 所:(社)中央電気倶楽部3階食堂
講 演:坪山 直生 氏 京都大学 医学部 人間健康科学科 教授

演 題:「高齢者の転倒予防」
出席者: 62名(関西東大会からは1名参加) 
【懇話会】
鈴木会長から今回の講師の坪山直生先生の紹介などがあり、司会者から本年5月10日(木)に予定されている京都大学原子炉実験所(大阪府泉南郡熊取町)での見学例会の勧誘ほかのお話があった後、食事会と講演会に移りました。
【講演会内容】
坪山直生先生は、1955年に京都でお生まれで、1980年京都大学医学部を卒業されています。お父様とお義父様に加えて、二人のお子様も皆京都大学で学ばれたということで、まさに京大一家です。ご研究されているテーマは、高齢者の運動機能や高齢者の骨折予防などで、今回は、「高齢者の転倒予防」と題して、ユーモアを交えながら大変分かり易いお話をしていただきました。以下要点のみ記載します。
【転びたくない!】
・まずは転ぶと痛いし、格好悪いし、怪我すると大変やし。
・高齢者はベッドのような低いところから落ちただけでも、大腿骨近位部骨折など、若い人には起きないような大変な骨折になることがある。
・高齢者では『転倒→骨折→寝たきり→介護』という悪循環や、転倒経験のある人がその後歩くことに対して恐怖感や不安感を持って歩こうとしなくなる『転倒後症候群』状態になり、最終的に寝たきりへと繋がってしまうことになりがちである。
・寝たきりになると、認知症など様々な合併症を併発しやすくなる。
【どんな人が転び易いか?】
・視力の悪化(白内障)によるものや、認知症、睡眠薬等の薬の影響など、様々な要因は考えられるが、最大のものは、運動機能そのものの低下によるものである。
・下肢筋肉の低下、バランス機能の低下、歩行能力の低下により、転びやすくなる。
【7つのロコチェック Locomotion Check】
(ロコモとは、運動器症候群=ロコモティブシンドロームの略で、「運動器の障害」により「要介護になる」リスクの高い状態になることを言い、「メタボ」や「認知症」と並んで、「健康寿命の短縮」、「ねたきりや要介護状態」の3大要因のひとつになっている。)
次の7つの項目のうちで、ひとつでも当てはまれば、ロコモであることが疑われる。
①片脚立ちで靴下がはけない(動作をしながらのバランス能力)。
②家の中でつまずいたり滑ったりする(下腿筋力低下や脊髄症による下肢の痙性)。
③階段を上るのに手すりが必要である(膝などの関節痛や片脚での自重支持筋力)。
④横断歩道を青信号で渡りきれない(歩行速度が、秒速1mあれば渡れる)。
⑤15分くらい続けて歩けない(1kmくらいを想定)。
⑥2kg程度の買い物(1ℓの牛乳パック2個程度)をして持ち帰るのが困難である。
⑦家の中のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である。
【どうやって予防するか?】
・運動療法は、効果的である。
(1)ロコモーショントレーニング¬=転倒予防、骨折予防などのために行う。
①ロコトレその1:開眼片足立ち訓練(ダイナミックフラミンゴ療法)
②ロコトレその2:スクワット(股関節の運動;ロコモン体操)
③その他のロコトレ:ストレッチ、関節の曲げ伸ばし、ラジオ体操、ウォーキングなど。
(2)筋力トレーニング
(3)バランストレーニング
(4)筋力トレーニングとバランストレーニングの複合トレーニング
(5)辛うじて立って歩ける高齢者が自分で出来ること
 ①お手玉移動運動
 ②タオルギャザー運動
 ③かかと、つま先挙げ運動
(6)注意を上手く分散できる人は転びにくいが、一つのことだけしか出来ないと転び易い。
(7)続けるためには、楽しさや、程好さが必要。
(8)難しく考えないで、楽しく出来ることを、少しだけでも始めることが大切。
(9)ウォーキングは、大変効果的である

以上