大阪京大クラブ合同 京町屋見学会(座談会・見学会)参加報告
代表幹事 日笠 賢(昭55経)
今年も大阪京大クラブの並木理事様からお誘いいただき、『祇園祭』の『宵山』(7月16日)の日に、大阪京大クラブ会員で、京町屋友の会の会長でもある松村篤之介様のお宅に伺い、今に残る貴重な京町屋のお邸を見学させていただきました。
大阪京大クラブからは、今年はご家族連れの方を含めて全部で7名が、関西東大会からは菊池前代表幹事に加えて日笠が家族同伴して3名で参加しました。
【京町屋と松村邸】

「浄妙山」 右手家屋が松村邸

松村邸 1階奥のお庭
松村邸は、祇園祭で現在32基ある山鉾のひとつ『浄妙山』の山町である骨屋町にあり、明治41年から3年の歳月をかけて造られた建物です。普請当時から世間の注目を集めていたと言われるような大変立派なお邸ですが、事情があって戦後に売りに出された折に、松村様のお父様が購入され、大がかりな修理をしたうえで、松村様が今もお住まいとしてお使いになられています。元々呉服白生地問屋だったそうで、表通りに面して店を構え、奥に平行して居室があり、「表屋造り」という京町屋の代表的な造りになっています。

松村邸 1階表側のお庭

松村邸 2階「浄妙山」の屏風と掛け軸
松村邸はその「表屋造り」でも特に大きなお邸で、土間の台所である「走り庭」が今も使われており、綺麗に手入れされた坪庭からは「よし障子」や「御簾」を通してさわやかに風が吹き抜けます。敷物として80年間使い込まれた飴色の「網代」や「籐莚」は足元を涼しく冷やし、築後100年を超える建物に良く馴染んで、日本の伝統的な住まいの見事な調和と、その美しさを堪能させていただきました。

松村邸 2階客間「浄妙山」の掛け軸とお花

松村邸2階 お茶室「山鉾巡行」の掛け軸とお花
1階奥のお部屋で松村様から祇園祭や京町屋の楽しいお話を伺った後、ご案内いただいた2階では、お茶室や客間を見学させていただきました。昔は京都で賓客を接待する場合に、一番大切なお客様は自宅でもてなすのが常であったそうです。そういうことから京都では独特の仕出し文化が発達したようです。松村様のお邸でも、かつてはお父様がよく2階で舞妓さんを呼んだりして接待をされていたそうで、今でも20客以上お膳の用意があるそうです。お茶室、客間などの床の間などには、さりげなく季節のお花や掛け軸が掛けてあり、四季のある日本で季節を織り込んで住む素晴らしさを改めて発見させていただけたように思います。夏姿のしつらえにするために、6月初めと9月の終わりに行なわれる模様替えは、大変な重労働の様で、今はボランティアにお手伝いをお願いして行なわれているとのお話です。京町屋の住まいの維持自体が大変なコストのかかるものだと思いますが、この素晴らしい日本の伝統美を、永く保存していただきたいと心から感じました。
松村邸 2階客間で松村様からお話を伺う

東山の風景を模した欄間や燕子花図屏風など
松村邸を辞す際、松村様より縁起物として、「浄妙山」の厄除粽(やくよけちまき)=玄関等の出入口の上に飾れば災難が入ってこないという言い伝えがある=や、宇治川の合戦での筒井浄妙と一来法師の先陣争いを描いた鈴木松年筆「宇治川先陣争屏風図」(浄妙山保存会所蔵)を写した団扇など、祇園祭の記念となる嬉しいお土産をいただき、それぞれ感激のうちに宵山で賑わう山鉾町に繰り出しました。
以上

