関西東大会新年祝賀会 特別講演 の報告
H3 工(建築) 久武正明 (文)
S45 農 藤田ひかる(画像)
日時:平成23年1月24日 17時~21時
場所:ホテルグランヴィア大阪
関西東大会新年祝賀会は、平成23年1月24日(月)ホテルグランビア大阪において開催されました。来賓として 大谷暢順様、大谷祥子様、大阪京大クラブから 山内潤三様、木村美恵子様 をお迎えしました。
特別講演では、京都女子大学学長の 川本重雄様より 「世界の中の日本の建築」という
テーマでお話があり、講演の概要は下記に記載しておりますが、たいへん味わい深い講演で参加者の皆さんは熱心に耳を傾けておられました。
懇親会に入り、小池俊二会長のご挨拶があり、①卒業生ネットワークの拡大、②三鷹寮建設(寄付)などによる人材育成の推進、③関西東大会の会員増(1000人規模へ)による発展、の三つのお話がありました。その後、北修爾副会長の発声で乾杯となり、なごやかに歓談となりました。懇親会中には、来賓各位からのご挨拶があり、若手からも活動紹介がありました。
(特別講演会 要旨)
日本の木造建築は、世界の中で最も美しい。その日本建築を、風土・精神論でなく空間論として位置づけ、また、中国建築との比較を通して日本の建築が果たした役割についての講義。
建築は、大きく「柱の空間」「壁の空間」に分けられるが、日本建築は、内と外の境界が曖昧な 「柱の空間」に代表される。この開放的な「柱の空間」の起源は、風とおしの良さを求める風土的な理由ではなく、平安時代の儀礼的な舞台空間であると考えられる。つまり空間の機能がその由来となっている。その「柱の空間」は寝殿造りの住宅の一部に取り入れられ、冠婚葬祭の舞台となり、そこで発明された障子・襖によって、儀式と日常生活の両方に対応できる住まいへと発展していった。
日本の様式「和様」と、中国の様式「唐様」を比較したとき、「唐様」は、技術・意匠が大きく変化していくが、空間の変化は、少ない。一建築一空間が基本である。これに対して、「和様」は、技術・意匠の変化は少ないが、空間が大きく変化しており、機能に応じた空間がつくられている。一建築に空間が並列して並ぶ。
日本建築の考察として、金閣は、デザイン原理の異なるものを積層させた三階建ての建物である。利休の待庵は、大広間(書院造り)の対極の秩序にある空間のあるべき姿を追求したものである。民家には、柱の空間と壁の空間が併存し、壁の空間は火を囲う家の秩序の空間であり、柱の空間は床の間を頂点とする社会秩序の空間である。
世界の建築の中における日本建築の意味をまとめると
1.「柱の空間」の建築を住まいに用いた。
2.「柱の空間」を発展させ、様々な建築に用いた。
3.「柱の空間」と「壁の空間」の組み合わせにより、多様な建築文化を創り出した。
4.「柱の空間」をフレキシブルに使うことで、機能に応じた多様な使い方を実現した。
以上



