総会のご報告 1(講演会)

2019 年 2 月 3 日、ホテルグランヴィア大阪にて「関西東大会第 33 回総会兼平成 31 年新年会」 が開催され、88 名様が参加されました。(会員外を含む。) ご講演内容についてご報告いたします。

 

報告者 幹事 松見 良三(昭 63 法) 

2019年 2 月 3 日(日)16:30~18:00 ホテルグランヴィア大阪

講師: 日本銀行理事 大阪支店長 山田 泰弘 氏

演題: 「最近の経済・金融情勢について」 
 
山田理事のご略歴

昭和 38 年 6 月、大阪府生まれ、灘高等学校卒業、昭和 62 年 3 月、東京大学法学部卒業。

同年 4 月、日本銀行入行、横浜支店長、システム情報局長、金融機構局長、等をご歴任。

平成 30 年 5 月より、日本銀行理事 大阪支店長。 

 

 

 
 
 本日は関西東大会において講演する機会をいただきまして、ありがとうございます。
私の生まれは大阪でして高校卒業まで当地で育ちました。東京と並ぶ阪神工業地帯が、
その後、関西経済の地盤沈下と言われて久しいところ、昨年5 月に赴任してまいりまして
「大阪は元気になってきている」と日々実感しております。さらに、インバウンド需要、
グローバルな第四次産業革命、2025 年の大阪万博により、「関西経済は、もう一度発展す
る新たな成長の芽をつかみつつあるかもしれない」と感じているところです。
 
1. 日本銀行大阪支店の概要・歴史

 日本銀行設立の背景は、西南戦争の戦費調達のために各民間銀行が大量のお札を発行し
インフレが発生、これを収束するために、お札の発行を日本銀行に一元化したことです。
同じ年に大阪支店も開設されています。全国32 の支店のうち、最も古い支店です。当時の
松方正義大蔵卿の盟友である、大阪商法会議所五代友厚初代会頭のご尽力により、設立が

実現しました。初代支店長は外山修造です。設立時の民間の株主数は大阪が全国一、京都・
滋賀も東京を上回り、日本銀行は大阪資本の会社、と言っても過言ではありませんでした。
外山修造は、日銀退職後、阪神電鉄初代社長や大阪麦酒(現アサヒビール)の社長として
関西で活躍を続けました。 
 
 2003 年に阪神タイガースが優勝した時にパレードの出発点になったのは、実は日銀大阪
支店の中庭です(スライド6)。 

(スライドをクリックすると拡大表示されます) 
   
 
 日銀大阪支店は、当初は現在の大阪倶楽部、続いて現三井住友銀行大阪本店、の場所に
間借りしていましたが、1903 年に現在地に移転しています。日銀が用地取得する前は五代
友厚邸でした。大阪支店を設計したのは、日本銀行本店や東京駅駅舎を設計した辰野金吾
です。辰野金吾は住友家の建築顧問を務め、右腕として活動を続けた片岡安は、後に大阪
商工会議所第13 代会頭に就任しました。旧館(本館)の記念室は、店内見学の見どころの
一つです。NHK の朝ドラ『あさが来た』で今井あさは五代友厚公を師と仰いでましたが、
ヒロイン役の波瑠さんが来店して記念室で撮った写真がドラマのポスターになっています。
記念室は、ウィーンのカフェ文化を意識した、寄木造や赤いビロードの絨毯が特色です。
階段は、柱がなくアーチだけで支える空間。ご連絡いただければ館内をご案内いたします。
 
 日本銀行の仕事は、①『発券銀行』、②『政府の銀行』、③『銀行の銀行』という3 つの
性格があります。発券銀行としては、関西の経済活動に伴って必要となる現金を供給する
ことが大阪支店の重要な仕事です。昨年度一年間で出入りしたお札は19 兆円に達します。
このほか、関西地域の経済情勢を確りと調査・分析し、金融政策に役立てるための情報を
本部に報告することなど、様々な仕事を行っています。 
 
2.2018 年の振り返り(スライド 15)

 2018 年の関西経済を振り返りますと、6 月の大阪府北部地震、7 月の西日本豪雨、9 月の
台風はじめ過去に例のない自然災害に見舞われる中、関西経済の強靭さ・ポテンシャルの
高さを改めて強く認識することができた1 年だったように思います。
 
  
 
  一連の自然災害の中で、9 月4 日の台風21 号による関空の被害の映像は、皆様のご記憶
にいまだに鮮明に残っていると思います。被災当初は、関西経済の先行きについて変調・
ネガティブなシナリオを想定する向きもありました。しかし、以下の二点を踏まえまして、
一週間で、関西経済の「緩やかな拡大基調」にはいささかの揺らぎもない、と確信し発信
いたしました。即ち、①ヒアリング先の生産計画に変更はなく、成田や中部空港に関空を
上回るキャパシティの空きが期待でき、企業の皆様が代替ルート確保に機動的に取組んで
おられたこと、②関西の豊かな文化や自然の魅力はいささかも失われていない上、関西の
外国人観光客はリピーターが多くキャンセルは限定的(海外LCC)と見られたこと、です。
風評被害を短期間で回避でき、外国人観光客数は見事にV 字回復し過去最高となりました。
輸出・生産も大きな変調は見られず、関西経済は緩やかな拡大を続けています。2025 年の
大阪万博開催の決定は、昨年の嬉しいニュースの筆頭です。1970 年の大阪万博と同様に、
人々の心持ちを華やげる効果があるのは間違いありません。

 

 2019 年もG20 サミットやラグビー・ワールドカップなど国際的なイベントが相次ぎます。
海外経済を巡る不確実性に留意しなくてはいけませんが、関西経済がそのポテンシャルを
確りと発揮していくことにより、緩やかな拡大局面が続くものと見ています。
 それでは、関西経済の現状と今後の展望について、より詳しく見ていきたいと思います。
まずは関西経済を取巻く外部環境として、世界経済について。

 
 3. 世界経済と日本経済

 IMF による世界の経済見通しの表をご覧下さい。1980~2017 年の平均成長率は毎年3.5%
です。2016 年は3.6%といまひとつでしたが、2017 年、2018 年は3.7~3.8%の伸びが続い
ています。最新の見通しでは、ドイツ・イタリアやトルコの影響を中心に2019 年が3.7→
3.5%に、2020 年が3.7→3.6%へと、幾分下方修正されましたが、目安の3.5%は維持してい
ます。世界経済は今後も関西経済を牽引していくと見ています。
 最近の保護主義的な動きは慎重に点検していく必要があります。米中間の貿易摩擦では
昨年7 月~9 月に3 回の制裁関税が発動され、トランプ大統領は第4 弾についても示唆し
ています。世界全体の自動車や自動車部品に関税となると、日本の輸出の4 割を占める分
野であり影響は大きいですが、これまでのところ日本経済への影響は限定的と考えられま
す。保護主義的な通商政策が世界経済に与える影響は、IMF の試算(昨年10 月)では、貿
易を通じた経路で▲0.4%、金融市場や消費者マインドを通じた経路で▲0.5%、両方とも同
時に起これば▲0.9%と、先程の平均成長率3.5%に対して大きな押し下げが見込まれていま
す。貿易を通じた経路の現状を、業況感から窺いますと、製造業は足元悪化していますが
50 は上回っています。輸出企業は足元50 を下回っていますが、ごくわずかであります。
これが一時的なのか景気後退局面入りか、今後の推移を見ていきたいと思います。内需に
紐づくサービス業や消費者態度は確りしており、現時点では景気後退局面入りはしていな
い、と言えると思います。金融市場は、昨年12 月以降やや不安定ですが、今のところ実体
経済にまで悪影響を及ぼしているとは見ていません。

 
 日本経済は、2013 年からの約6 年間で大きく改善しました。昨年の自然災害の下押しは
ありますが、トレンドから外れず回復が続けば、本年1 月で戦後最長の73 か月を超えます。
マクロ的な需給ギャップも、2016 年末以降、需要が供給を上回り、以後プラス幅が着実に
拡大しています。景気拡大の牽引役が特定部門に偏らないバランスの良さも、今回の特徴
です。2000 年代半ば、前回の長期回復局面は、製造業・大企業・三大都市圏、が牽引して
いました。バランスの良さの背景の一つとして、幅広い分野での需要拡大が挙げられます。
前回の局面では、財の輸出が目立ち、機械等への投資は増加しましたが建物・構築物への
投資は大きく減少しています。一方今回は、インバウンド需要を中心にサービスの輸出も
増加し、建物・構築物もオフィス・大型物流拠点・インバウンド需要向けホテルの建設が
増加するなど投資需要が多様化しています。

 昨年7~9 月の実質GDP は前期比マイナス成長となりましたが、これは相次ぐ自然災害に
よる一時的下押しが主因と考えます。昨年10 月以降、実質輸出・鉱工業生産・訪日客数
とも再び増加に転じています。米国向け・中国向けとも輸出は堅調に増加しており、保護
主義的な動きが我が国経済に及ぼす影響は限定的と言えます。企業収益も、2016 年までの
主に原油安による改善と異なり、ここ2 年程は販売数量や売上げの伸びを伴った、企業に
とって自信が持てる改善に変化してきています。

 
4.関西経済の現状と展望

 日本銀行が四半期毎に公表している「さくらレポート」では、全ての地域で景気の総括
判断を「拡大」または「回復」としています。関西は、昨年9 月の台風災害の際に引下げ
なかったこともあり、「緩やかな拡大を続けている」との判断を維持しています。他地域と
比べて、後述するインバウンドのゲタの分、自信をもっております。短観調査で見る関西
企業の業況感は、リーマン前を上回り1991 年以来の高水準(+17)です。牽引役の一つは、
インバウンド消費。百貨店の免税売上は、関空復旧後は持直し、全国を上回る高水準です。

もう一つの牽引役は、輸出・生産。輸出は台風21 号の影響で一時的に落ち込みましたが、
生産は落ちておらず、汎用・業務用機械や電子部品・デバイスを中心に増加しています。
大阪の訪日外国人数は2013 年の4.5 倍と、2~3 倍の東京・神奈川・愛知を上回っていま
す。鉱工業生産も大阪は2010 年の水準を上回っており、他地域へと生産移管(サービス化)
が進む東京や神奈川と比べて一貫して高水準。東大阪の中小企業群のモノづくりが最近の
IoT などにも対応できている証左と思います。関西企業の稼ぐ力はリーマン前を上回って
おり、2018 年度の設備投資は前回ピークまで増加する計画です。完全失業率は歴史的な低
さ(3.3%)であり、関西企業の人手不足感(日銀短観)は1991 年以来の水準です。一方で、
賃金と消費は勢いが弱めです。「時間当たり賃金(全国)」を見ますと、パートは前年比
+2~2.5%、正社員の所定内給与は+0.5~1%程度に留まっています。やはり企業は固定費増
加に慎重です。全国・関西ともにスーパー販売は冴えません。日常消費を中心に財布の紐
が堅い状態が続いています。ただし、好調な企業収益を受け冬季賞与(大阪)は前年比+3.5%
と高めの伸びになっています。

 ここからは、やや長い目で見た関西経済の展望についてお話しいたします。
日本の総人口は2010 年にピークを打ち、15 歳から64 歳の「生産年齢人口」は1995 年
からどんどん減っています。2010 年から2045 年までの35 年間では、関西は、総人口が34%、
生産年齢人口は19%減少すると見込まれます。これは、全国の見込値よりそれぞれ
2 ポイント、首都圏よりも13~14 ポイント、減り方が厳しいです。人口減少は、医療費や
介護・教育の負担等の将来不安を通じて、家計の消費を抑制します。企業は、国内消費の
先細りを懸念し、固定費を増やそうとしません。景気回復の実感が湧かない背景です。
 関西は今後の人口減少で八方塞がり、どうしようもないのか、というと、そうではなく、
人口減少の逆風を乗り越える3 つの力を感じています。①インバウンドの飛躍的な伸長、
②グローバルな「Industry4.0」のうねり、③2025 年の大阪万博、であります。

 

 
 まず、インバウンド需要について。関西への外国人観光客数は、2017 年度に1,242 万人
まで増えています(前年度比+180 万人。+17%)。2020 年の政府目標4 千万人を達成するペ
ースで全国同様に増えれば1,800 万人になります。世界の旅行先ランキングで日本は2017
年に15→12 位(2,869 万人)に3 つ上がりました。国の規模が日本より小さいタイ(10
位。3,538 万人)等、他国と比べると、まだまだ日本の伸び代は大きいと思います。外国
人消費が関西経済を押し上げる力は、スライド45 をご覧のとおり、人口減に伴う消費支出
の減少額を上回るプラス効果があります。即ち、訪日外国人の関西での宿泊数は一日当た
り5.4 万泊(2017 年)、これは人口が増えたのと同じこと、2012 年比+3.7 万人です。こ
の間に関西の人口は22 万人減っています。人数では埋めきれませんが、外国人旅行者は一
日35 千円の消費、関西の標準的な消費者は一日3 千円。金額では補って余りあるプラスと
なります。設備投資へのプラス効果は、関西のホテル客室数が全国を上回って増加し、宿
泊業の建築着工床面積も高水準にあることに見られます。関西の百貨店は、免税売上が全
体の販売額の6%、関西の宿泊数では外国人が26%、を占めています。百貨店以外も含むイ
ンバウンド消費(2017 年)は1.3 兆円に上り、これを起点とした製造業など他業種への波
及効果は8,900 億円であり、関西の名目域内総生産を0.2%程度押し上げている、と試算さ
れます。0.2%のゲタは、日本の潜在成長率が0%台後半と言われていますので、大きいで
す。訪日外国人が帰国後にインターネット通販で日本製品を購入する動きも広がっていま
す。「爆買い」は一巡しましたが、越境EC 市場は着実に拡大し例えば関西からの化粧品輸
出の大幅増加に繋がっています。外資系企業の大阪への誘致も増加して高水準にあり、そ
の中でインバウンド関連企業が45%となっています。

 では、訪日客の伸びは今後も続くのでしょうか?アジア各国の経済の発展段階を見ると、
まだまだ伸び代は大きいと言えます。飛び抜けて高い所得の韓国・台湾・香港からの訪日
客数が全体の半分(2017 年)、比較的高所得の中国・タイ・マレーシアを加えて75%です。
1975 年の日本の一人当たりGDP は4,656 ドルでした。2010 年に中国はこの水準を上回り訪
日客数が増えてきています。インドネシアやフィリピン・ベトナムが今後10 年、20 年で
この水準を超えてくれば、海外旅行ができる人が増えます。外国人労働者は、中国が多く、
次にベトナム・フィリピン・ネパール等です。日本で働いて日本に良いイメージを持って
帰ってもらうと、次は観光客として家族を連れて日本に来てくれることになるでしょう。
今後も関西のインバウンドを伸ばしていくには、関西の魅力を最大限引出すことであり、
まだまだ引き出せると思います。圧倒的な歴史遺産(国宝の71%が関西)が日帰り圏内に
あり、カオス的な活気ある街並み、芸能、食文化等も魅力です。今後開催される国際的な
イベントで知名度が上がることも間違いありません。鉄道や高速道路等のインフラ投資も、
外国人観光客の誘致に直結するものと考えられます。 

 関西が人口減少の逆風を乗り越えていける、もう一つの成長の芽は、グローバルな
「Industry4.0」の潮流です。「第四次産業革命」とは、「モノづくりを変えていく」という
意味です。IoT やビッグデータ、人工知能・AI が実用化されつつあります。ガソリン車は
急速に電気自動車に代わり、自動運転技術を含む「次世代自動車」に変わっていこうとし
ています。様々な技術を支える新素材も開発されつつあります。これらの世界的な潮流は、
関西が強みを持つ分野でもあります。スライド56 は、伸びが著しい品目の輸出動向ですが、
コンデンサー・電池・半導体等電子部品・半導体等製造装置を含む機械産業や素材産業は
関西に多く、関西は「Industry4.0」に関係する産業が集積している大きな強みがあります。
産業集積を中長期の飛躍に繋げていくには、強みを持つ「モノづくりの力」(ハードの製造

技術)に「デジタル化技術」を組合せていくことが必要です。中長期の種まきとして関西
企業は投資も確りとやっておられ、ここまで言うと、関西出身で応援バイアスかかりすぎ、
と思われるかもしれませんが、事実として、能増投資や省力化投資が堅調に増加、ソフト
ウェア投資や研究開発投資も全国を上回るペースで増えています。これらの新しい動きは
今後10 年タームで続き、努力を重ねれば「人口減少の逆風を乗り越える力」になります。

 
  
 
 ただし、輸出・生産にもリスクがあります。冒頭の世界経済の不確実性の高まりと関係
しており、仮に中国経済が減速した場合の関西経済への影響はどうか、ということです。
関西から中国への輸出は、2017 年は2005 年対比で+72%、地域別では26%(日本全国では中
国への輸出は19%)を占めており、関西経済と中国経済の結びつきは強まっています。品
目別に見ると、グローバルなIT 需要拡大を背景にスマートフォン等に使われる半導体等電
子部品や科学光学機器が増加しています。足元の米中摩擦等を通じて中国経済の成長が鈍
化した場合、関西経済に相応の影響が生じる可能性がある点は、留意が必要です。これま
でのところ、企業の方からは、米中貿易摩擦で大きなマイナス影響が出ているとの声は限
定的ですが、引続き関西経済に与える影響は確りと見ていきたいと思います。

 海外起点のリスクは関西においても意識されつつありますが、企業経営者の皆様の顔が
総じて明るい背景は、何と言っても、2025 年の大阪万博の開催が決定したことです。大阪
万博の経済効果は様々な試算が公表され、タイムスパンや前提によって若干異なりますが、
会場建設や会場入場者等の直接的な需要効果は、いずれも2 兆円程度と見込んでいます。
交通インフラの整備やホテル・商業施設の建設投資による波及効果も勘案しますと、成長
期待を試算値以上に高める可能性もあります。2025 年のテーマ、「いのち輝く未来社会の
デザイン」に関連するライフサイエンス企業、「次世代型のウェアラブル端末等の普及」は
関西のモノづくり企業、への波及も期待されます。

 

 
 
 
 
 波及効果をさらに大きくし持続性あるものにしていく観点から、ポイントの一つとなり
うるのは、キャッシュレス化の進展ではないか、と見ています。観光庁によると、外国人
観光客が日本で感じるストレスの第一位は、「現金しか使えない」ことだそうです。日本の
キャッシュレス決済比率は20%程度であり、90%を超えて世界一の韓国、50%程度の米国は
じめ諸外国と比べて普及が遅れています。実際に日銀大阪支店周辺の喫茶店ではどうか、
当店職員が調べたものがスライド64 です。「○」が何らかの対応をしている店舗、「×」が
対応していない店舗。これを見る限り、関西でもキャッシュレス化が進んでいないことが
分かります。観光客に人気のある黒門市場やジャンジャン横丁では利用できる店舗がさら
に限られています。しかしながら、最近はコンビニや百貨店ではキャッシュレス手段の多
様化が図られつつあります。その中ではQR コード決済が拡がり始めています。中国では爆
発的に普及し、屋台、レンタル自転車、自動販売機、お賽銭箱から物乞いにまで、利用さ
れており、現金はほとんど使われません。中国ではAliPay とWeChatPay が2 強、日本にも
進出しています。日本企業は「百花繚乱」、いくつものサービスに対応する必要があるため、
かえって普及が進まないのではないかと思います。今後は官民あげて2025 年の大阪万博ま
でにキャッシュレス決済比率を40%まで高めることを目指しており、拡がりが期待されま
す。蛇足ながら、キャッシュレス決済が進んでも、日本銀行の収益は減るわけではありま
せんので、全く困ることはありません。

 以上、日本銀行の歴史から、関西経済の動向・先行きの展望等、多岐に亘る話をさせて

いただきました。ご清聴ありがとうございました。 


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