第12回東大ワールドカフェ関西 開催報告書
第12回東大ワールドカフェ関西を下記の通り開催しましたので報告いたします。
日時:平成27年9月5日(土)13:30~17:00
場所:たかつガーデン(上本町)
参加者:16名
主催:関西東大会、 協賛:東京大学卒業生室
キーノートスピーカー:橋本 亮一氏(株式会社ブルーム・アンド・グロウ)
テーマ:『世界に一つだけの旅を創ろう!』新しい旅行業への挑戦!
橋本氏は、昭和63年に東京大学法学部を卒業後、株式会社日本旅行に入社し、平成12年に社団法人日本旅行業協会(JATA)へ出向、平成15年、株式会社ブルーム・アンド・グロウを設立、代表取締役社長に就任、現在に至る。
<<講演要旨>>
JATAに出向中、キャンプによく行く子は切れにくいという話を聞き、旅行医学の存在を知った。テレビ局の縁もあり、旅と健康の関係を調べようとモニターツアーを実施した。その結果、断言するにはデータが少ないもの、旅が健康にもたらす効果を見ることができた。当時、海外では調査もあり、ドイツでは保険適用もあった。この調査は「ヘルスツーリズム」を我が国に紹介したものとして今も誇りに思っている。
一方、社内の旅行販売に目を向けると、店頭営業で①衰退してゆく団体旅行マーケットに6~7割の営業マンが鎬を削っていること、②ネット販売・直販の拡大、③価格重視から価値重視へのトレンドの変化に組織が対応しきれていないことに気づいた。
そこで専門特化がスパイラルの転換になると考え、独立して富裕層をターゲットにオーダーメードのコンサルティング型の旅行会社を始めた。
①フラワーショップとのコラボ、②駅から10分の高台に立地、③旅行会社とわかる看板を出さない。④カウンターが無くパンフレットも並べない、⑤広告を出さずチラシも配らない、⑥海外個人旅行のコンサルに特化、⑦原価を明示し相談料を収受する自宅兼店舗のサロン型旅行会社は、多くの人に無理と言われたが3年目からお客様のつながりが出てきた。
一般の旅行会社は、むちゃくちゃ高いオンシーズンの旅行の利益で、むちゃくちゃ安いオフシーズンの旅行を売っているが、Bloom&Growは一律15%の報酬で旅行を作っている。また他の旅行会社が断る客の要望にも対応している。営業は口コミで他社との違いを分かりやすく、口コミのし易さに重点を置いている。
従来は邦人の国内旅行、海外旅行と外国人の訪日旅行という考え方がされてきたが、最近ではデスティネーションから見たインバウンド、アウトバウンドという認識になってきて交流人口の拡大が求められている。大手は地域に根差していないが送客力がある、地元中小は地域に根差しているが送客力がない。その中で旅行会社は送客するだけでなく、「観光まちおこし」の中でまちおこしチームに入らないといけない。そこに着地型旅行会社として中小の活路がある。
中小の送客力の課題は、地元密着の中小旅行会社がお互いに送客し合い、手配し合う、まちおこしアライアンスが必要である。今年に入って、ある町のコンシェルジュを始めており、実践の時が来ていると思っている。
講演では氏の出向体験から社内に目を転じた際に見出された旅行販売の課題を世の中のトレンドを読み解き、常識を覆すマーケティングで新しい旅行業を実現し、これからの中小の旅行会社の進路が示されました。このトレンドやマーケティングは、他のいろいろな業界にも当てはまるのではないかと思いました。
講演の後は「旅行産業は21世紀の基幹産業なのか、衰退産業なのか?」「インターネット時代に期待される旅行会社の役割とは?」「訪日外国人旅行者の増加は、市民にとってありがたいのか、迷惑なのか?」の3つのテーマについて参加者間で意見を交換しました。参加者は、氏が挑戦する「新しい旅行業」のあり方について考える良い機会になったことと思います。
そしてキーノートスピーチとワールドカフェの後は、いつものように懇親会会場に移動して、食事をしながら世代を超えた交流を深めました。今後も魅力的なキーノートスピーカーと興味深いテーブルテーマで卒業生のネットワークを広げていきたいと思います!

写真:河崎晋也様提供
(H17年工学部卒)

