7月10日(木)大阪京大クラブ例会参加(第3回目)報告

下記要領にて掲題会が開催され、菊池代表幹事・沖野事務局長と共に参加しましたので、報告します。

Ⅰ. 場所:(社)中央電気倶楽部
Ⅱ. 講演会:京都大学大学院工学研究科 教授 高田 光雄氏による「大阪の歴史に学ぶ持続可能型社会の住まいづくり」
参加者数は我々3名を含め約60名、いつもながらの盛会でした。
会は例によって山内会長代行等による会員向けの報告から始まり、暫くの食事懇親会を経て、講演会に移りました。
(講演目次)
1. スクラップ・アンド・ビルドからの脱皮
2. 近世大坂の裸貸し
3. 二段階供給(スケルトン・インフィル)方式の開発
4. 多様な住要求への対応
5. 長期耐用型集合住宅の実現
6. まちづくりへの寄与
7. ストック再生への適用
(要約)
高田先生のお話を小生なりに要約しますと、以下の通りです。
◎「ごみ(廃棄物)」の発生を免れない「スクラップ」への疑問・抵抗
◎ 温故知新としての近世大坂の建物の研究
◎ 共同部分である「スケルトン」と個別部分である「インフィル」に分けての建設方式により「ゴミ」
発生する「スクラップ」からの脱却
◎ 上記新方式により、各種集合住宅を実現
◎ 価値ある中古建築物の再生への応用(本郷の“求道學舎”のリノベーションプロジェクト)
 (詳述)
やや詳しく、そしてかいつまんで記述しますと、下記の通りです。
◎ 戦後の日本では社会の仕組・流通が問題で、住宅は短寿命のまま推移している。
◎ しかし、これは欧米と比較しても問題である。日本では住宅市場といえば、先ず想起されるのが新築住宅のものであるが、欧米では中古住宅市場を意味する。因みに住宅市場において全住宅に対する中古率は英国/米国/仏国/日本、夫々89/78/66/13%。
◎ 日本の住宅は物理的寿命はある(メンテにより伸ばすことが可能な)のに社会的寿命(流通寿命)が短い。
◎ 日本は「スクラップ・アンド・ビルド」という悪弊からの脱却が望まれる。
近世大坂の住宅の住まい方には、英米仏と同様見習うべき方法が認められる。例えば、京間の造り=中古の建具・畳を使用できる、プレファブ化が可能、家の裸貸しが可能。大阪市にある“すまいのミュージアム”の見学がお薦め。
◎ しかし、ただ過去の歴史を研究するだけでは不充分で、今現在日本が直面している「社会的持続可能性(少子化問題)」と「環境的持続可能性」とを勘案することが必要。
◎ 都市の集合住宅を耐久的・共同的性質が強い躯体などの部分=スケルトンと消耗的・個別的性格の部分=インフィルに区分して、建設・供給する方法を二段階供給方式という。このやり方は上述の近世大坂の住宅に見られるが、二段階方式が開発された1970年代の日本には、住宅供給上の問題が存在していたとともに、こうした方式が直ちに実現できる条件が整っておらず、課題解決のための新たな技術開発と社会システム整備が必要であった。
◎ その後の作品事例として、“泉北桃山台B団地”、“実験集合住宅NEXT21”、“アーバネックス三条”などがある。
◎ 本郷の求道學舎は1926年に建設された価値ある建物であり、紆余曲折の末現在日本初の本格的なストック(中古)活用型スケルトン・インフィル建築として存続している。

代表幹事 白井 俊和(昭47農)


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